aie/deadman、gibkiy gibkiy gibkiy、the god and death stars、keinと
seek/Psycho le Cému、MIMIZUQの二人旅から始まったアコースティックツアーに、
さらに新しく、ガラ/メリーが加わり、『さすらいのニコチン野郎達』と称し、
2月23日高崎TRUAT55から全国ツアーを行う。
いったいどんなライヴになるか、ガラはまだまだ手探り状態のこの旅。
でも、楽しい思い出がたくさんできることは間違いないと、取材をして確信しました。
PHOTO BY マツモトユウ
●三人の出会いは、かなり古いですよね。
ガラ:aie君との出会いは二十歳ぐらいですね。aie君がLamielで、僕はまだAfter effectで、池袋CYBERで会ったりしてました。同い年なのもあって話をするようになったんですけど、僕からしたら、キラキラ光っててすごい人だなと思ってましたね。
aie:まだFatimaのドラムだった大佑と、三人同級生だからね。
ガラ:二人の間に、酒飲みで迷惑かける大佑君がいたんです。aie君とは、いつか一緒にバンドをやろうねって約束してたんですよ。
●そうだったんですね。でも、その機会は来なかった?
ガラ:僕がメリーを始めて、aie君もkeinやdeadmanを始めて。飲みの場で会うことはあったんですけど、一緒にバンドをやることにはならなかったですね。
●seekさんとガラさんの出会いはもっと後なんですか。
seek:僕は全然あとっすね。『FOOL’S MATE』のフェスで、メリーさんと初めて対バンしたかもしれない。
ガラ:武道館でイベント(『KINGDOM ROCK SHOW』))のときに、楽屋が僕らだけ離れてて、緑色したseek君が「シャワー貸してください」って来たのを覚えてる。
●親しくなったのはそれより後なんですね。
seek:俺らは友達がいなかったんですよ。MUCCとか蜉蝣とか、ヴィジュアル系の仲良しのグループが出来てて、俺らは入られへんなって思った記憶があります。
ガラ:ちょっとPsycho le Cémuは違いましたね。みんなでワイワイするっていう感じじゃなかったかな。『OVER THE EDGE』(渋谷公会堂での年越しイベント)が始まってからは、年に一回みんなで酒飲んで騒いでたけど。
seek:『OVER THE EDGE』は大きいですかね。急激にバンドマンの人と出会うきっかけが増えた。Mix Speaker’s,Inc.からは、自分がバンドの窓口になって、いろんな人と出会ったり、イベントの前の取材でお話する機会があったりしたから。
この三人でフェリーに乗ったら面白いと思う
●今回のツアーは、どういうきっかけで決まったんですか。
seek:話が具体的になったのは、去年の4月ですかね、4月にガラさんとご飯を食べに行ったんです。そのとき、アコースティックでの活動を個人でもMIMIZUQでもやってるみたいな話をしたんです。
ガラ:seek君が、aie君とかKöziさんと一緒にツアーをしてるのは知ってたんです。俺もそういうのをやってみたいと思ってたんで、「俺も出してよ」って話したら、9月のイベント(MIMIZUQ主催のイベント『Singer’s 喫茶 CATS EYE』がまず決まったんです。それからですね。
●ガラさんが弾き語りを始めたのはいつ頃なんですか。
ガラ:ギターの結生くんと二人で新宿ブルースっていうユニットで、昭和歌謡とかメリーの曲をやってたんですけど、自分でギターを買ったのは、コロナ禍のちょっと前ぐらい。僕は、BOØWYとBUCK-TICKを聴いて育ったんで、ヴォーカルがギターを弾くのが全然考えられなかったんです。でも、歌える場所を探して、もっと可能性がないかなって考えて、まず神田のギター屋さんに飛び込んで、
aie:ZEMAITIS?
ガラ:そう。布袋さんが好きなんで。そこに買いに行ったんですけど、何も知らないから、置いてあるギターを勝手に触って、店員さんにめっちゃ怒られた。
aie&seek:(笑)
ガラ:「ちょっとやめてください(怒)」って言われて。試奏せずにボディーだけ見て決めたんですよね。
●それから、弾き語りを始めたんですか。
ガラ:本当に一人でステージに出たのは、9月のMIMIZUQのイベントが初めてかもしれない。すごく緊張しました。
●拝見していましたが、初めてだとは全然思わなかったです。
ガラ:いやいや。あとでライヴ映像を見ましたけど、何か誤魔化してた。僕のお客さんからしたら、ガラが一人で弾いてるのをお母さんのような感じで見てる人もいたみたいです。
●じゃあ、当然、弾き語りでツアーに出るのも初めてなんですね。
ガラ:はい。バンドでも最近は行ってない北海道とかが入ってるんで、メリーのファンからは「なんでなんですか」って言われてます。
●バンドでのツアーとはいろいろ違うところがあると思いますが、ガラさんが特に楽しみにしてることって?
ガラ:ライヴはもちろんですけど、一緒に移動してるときとかオフの時間をすごく楽しみにしてます。このメンバーで回って何か起こらないわけがないから。それで仲良くなりたいですね。
●ガラさんもお酒は結構飲まれるんですか。
ガラ:お酒は好きです。でも普段のツアーだとあんまり飲まないんです。でも、このメンツだったらお酒は一緒に飲んで楽しまないと。
seek:ツアーの序盤からトバしてしまいそうですね。楽しいが勝ってしまうから。
aie:最初がヤバいね。高崎、仙台、札幌と3デイズ。
●仙台から札幌は、飛行機だと翌日でもライヴができるんですね。
ガラ:この三人でフェリーに乗ったら面白いと思うんですけど。
●Köziさんに続くフェリー好き(笑)。
seek:下手したら、飛行機の方が安いです。フェリーって、機材車があるから乗るんですよ。ギター一本やったら、別にフェリーでなくてもいい話やから。
ガラ:荷物は、ギター一本と着替えとかだけでいいですよね。
seek:それだけです。
●そこから未知な感じなんですね。
イベント『ガラのための説明会』が決まった瞬間!
●この三人だと、どんな雰囲気のライヴになるんでしょうね。
aie:ガラ君は真面目だし、ちゃんとした人だからね。seekと俺とKöziさんは、いい意味で適当じゃないですか。その場で決めることも多いし。
seek:ちゃんとできてないことがお笑いになって、それがある時期から求められ始めてるというか。
aie:笑いを取りにいってるからね。松浦亜弥の「めっちゃホリデー」をやるとか(笑)。絶対に声が出ないのがわかってるのにやるからね。“イエーイ!っ”て、アタマから出ないから。
seek:その辺りが、この三人だとどういうものになるのか。
ガラ:僕が出ることによって、どういう形になるかわからないお客さんもいると思うんで、一回、ツアーの前に何かやりません? aieさんがトークイベントをやってたりするみたいな感じで、こんなライヴだよって三人で話したりとか。
aie:勉強会? 説明会?
seek:今から(取材は12月中旬)、1月でどこか会場を探します? 平日で都内とか探せばありそうですけどね。
●急遽、イベントが決まりそうになってますが(笑)。(この結果、1月9日にROCK CAFE LOFT is your roomで、『さすらいのニコチン野郎達〜ガラに向けての説明会〜』を実施)
ガラ:どんな感じで、どのくらいの長さで、どんな雰囲気的なんだろうって思ってるんですよ。
seek:バンドやと、俺はシーケンスが鳴ってるバンドやからいつも時間通りにライヴが終わるのに、アコースティックになると緊張したらどんどん速くなって。逆もしかりで、最近は慣れてきてゆっくりになって押すときが出てきてて。同じ曲数でも如実に変わってくるんですよ。aieさんは、ストップウォッチを見ながら調整してはるけど。
ガラ:そういう臨機応変なの、いいっすね。
aie:いまは、iPadで譜面を見てるから、どうしても時間がわかっちゃうんで。あと6分あるから二曲頑張ればいけるかなとか、この曲は1コーラスで終わろうかなとか、考えながら。
seek:そもそも曲順を決めてないんですよね。
ガラ:うわ、いいな。すごくそういうのに憧れるんですけど、俺は不安症なんでできないんですよ。このツアーでそういうのをやってみたいな。
seek:それこそ前日のお酒の量によって、キーの問題が出てくるから。
aie:今日は歌えない曲とかがあるから。あかんなって思ったら、違う曲をやります(笑)。
ガラ:つまり、そんなに力は入れなくていいってことですね?
aie:全然入れなくていい。
seek:俺らがちゃんとやろうとしちゃうと、バンドのライヴ以上にそれがダイレクトに伝わるみたいで、お客さんもグッて固くなるのが、今までの経験でわかってるから。前は、最初にすぐ曲をやろうとしてたんですけど、先に喋ったほうがお客さんも柔らかくなるのがわかってきたし。
aie:オープニングは一回ほぐしたほうがいいね。どんだけ俺ら、スベッてきたか。
seek:そうっすね(笑)。
ガラ:スベりたくないな~。
aie:一曲目でさ、「燃えるドラゴンズ」を歌ったんだけど、スベったね、あれ。ヤバかった(笑)。
息ができないぐらい笑えるイベント?
●三人一緒の演奏ではどんな曲をやるんですか。
aie:ご当地ナンバー?
seek:今回、ツアータイトルをTHE BLUE HEARTSの曲から決めたんで、THE BLUE HEARTSが共通項なんかな。THE BLUE HEARTSの曲を全部見て、どれがいいかなって一番しっくりくるのを選びました。
ガラ:「さすらいのニコチン野郎」はやると。
●音楽的な趣味で、THE BLUE HEARTS以外にかぶってるバンドはどの辺りですか。
seek:たぶんね、二人は合うと思うんです。でも、こういう話をすると、いっつも俺がちょっとズレてるんですよね。
ガラ:俺は、XとかLUNA_SEAをちゃんと通ってないんで。
aie:ガラ君は、SHAZNAでしょ?
ガラ:またそれ言う(苦笑)。それすぐ言うから。
●ヴィジュアル系で好きなバンドは、SHAZNAなんですか。
ガラ:いや、BUCK-TICKとかD’ERLANGERとか黒夢とかは聴いてたんですけど、ちょっと上の世代のLUNA_SEAとかXを全く通ってないんです。有名な曲は知ってますけど、LUNA_SEAのライヴも行ったことなくて。
seek:aieさんは逆に幅広いんでしょうね。どんな人と喋ってても、共通言語がすぐ見つかってるイメージがある。
aie:そうだね、いっぱいCD買ったからね。kazumaさんとかSakuraさんから教えてもらったりして、30歳からまた聴いてるのもあるし。
ガラ:ちゃんと教えてもらったのを聴いて吸収するのがすごい。だんだん歳を取ってくると、やっぱり好きな音楽を聴いてたいなと思っちゃうんで、そういうのも面倒くさくなってくる。
●ツアーでどんな曲が聴けるかは、お楽しみですね。
seek:旅の間に、そういうのが飲みながら見つかるかもしれないし。
ガラ:aie君は、the god and death starsの曲をいろいろやってる?
aie:the god and death starsとdeadmanの曲かな。
ガラ:seek君はPsycho le CémuとかMIMIZUQ?
seek:バンドの曲もやるんですけど、最近はできるだけ自分の曲をやるようにしてます。弾き語りのオリジナルが増えてきてるから。バンドの曲は、そのヴォーカルに向けて書いてる曲やから、自分で歌うと違うな感がすごくあるんです。自分のモノに出来ない感。それで、自分の曲をいっぱい作るようにしてたんで、オリジナルの曲をやることが最近は多いですね。
ガラ:俺も、メリーと、カバーもいろいろ用意しとこうかな。昭和歌謡とか好きな曲が多いんですけど、最近の曲もやんなきゃいけないのかなと思って、急にあいみょんを聴き出してます(笑)。
●どんなライヴになるかドキドキですね、特にガラさんのファンの方は。
aie:お客さんには、息ができないぐらい笑ってほしいですよ(笑)。
●それぐらい楽しいと。ツアー中にガラさんがどんどん変化していきそうで、そこも期待したいです。
ガラ:このツアーでは、そういう刺激をもらいたいですね。今は、昔みたいにバンドだけじゃなくて、みんないろんな活動をしてるから。それに、ヴォーカルは歌ってないとダメだなっていうのが、コロナ禍ですごくわかったんです。歌ってないと、声の出し方とか力の入れ具合を忘れちゃうんですよ。だから、メリー以外でも歌える場所があるのはすごく嬉しいです。
●歌う機会のひとつとして、弾き語りを取り入れていこうという感じなんですか。
ガラ:遠い将来は、ギターを持って旅をしてたいんですよね、遠藤ミチロウさんが好きなんで、ギター一本持って電車に乗って、いろんな街に行って歌ってるみたいな、そういうことをやってみたいから。このツアーはその第一歩になればいいかな。だから、ちゃんとした思い出にしたいんです。
●最初だからいい思い出にしようと。
ガラ:でも、準備しすぎるとつまらなくなりそうなんで、それが怖いんです。その加減がわからない。
seek:ちゃんとしてはるな。ツアーを決めたときから、ガラさんが楽しみにしてはる感じがすごく伝わってきてるんです。そもそも、写真を撮ろうぜって言ってくれたのもガラさんやし。いつもどおり、チケット代にグッズが含まれてるスタイルなんですけど、今回はそれとは別にグッズも考えました。写真を撮ったらアイディアをポンポン出てきたから、アクリルスタンドと切手シート、ロングTシャツ(HIROSUKE/BALZACデザイン)も作りました。
「これあかん!」と止めに入るファイナル
●2月23日の高崎からスタートして、3月16日の渋谷がファイナルですね。この日は、昼がライヴで夜は打ち上げ的なトークですね。
ガラ:この前の二人のツアーの難波紅鶴のライヴのときは、大打ち上げみたいに書いてあって、いいなと思ったんですけど、そういう感じなんですか。
aie:渋谷の第二部はそう。
seek:旅の間にオフショットの映像みたいなのを撮っておいて、その映像を見ながらトークするんですけど、撮った映像の半分ぐらいは使えなかったですね。
aie:半分はパンツ履いてなかったからね(笑)。
ガラ:本当にさらけ出してるし、ロックンローラーなんだよな。
aie:逮捕されるところですね。
seek:動画を後から見ても覚えてないんですよ。こんなんあったな、でも覚えてないな、みたいな。そういう楽しさはあります。
●渋谷の夜には、またそんな映像が観られると。
aie:で、「あかんあかん、これあかん!」って止めに入る。
一同(笑)
●各地で素材をいっぱい撮ってきてください。
aie:たぶん一番ヤバいのが姫路だと思うな、seekの同級生が来るから。そういうとき、seekは完全に姫路の人になっちゃって、学生に戻ってるから。
ガラ:姫路城が新しくなってから見てないんで、楽しみですね。姫路のとき、MASCHERAを歌いたいな。aie君かseek君にギターを弾いてもらって。
aie:「運命の車輪」? それいいね、あの当時の地元のヴィジュアル系バンドの曲やる?
ガラ:そうなると名古屋はSilver Roseになっちゃうか。
aie:DIE-ZW3Eか。Sleep My Dear?
●名古屋は、いっぱいいますよね。
ガラ:逆に黒夢とかFANATIC CRISISじゃないところ。
●aieさんとseekさんの今までのツアーでは、あまりヴィジュアル系の曲をやってないから面白そうですね。
ガラ:仙台だと誰かな。
aie:仙台の人がピンとくるやつがいいね。大阪はCOLORでいい?
ガラ:もう~、COLORかぁ(苦笑)。アコースティックにしたら、キャッチーかもしれない。
aie:ポップだからね。博多はヴィジュアル系よりやっぱりメンタイロックになっちゃうよね、シナロケ(Sheena & the Rokkets)、長渕(剛)もそうだし、チャゲアス(CHAGE&ASKA)、リンゴ(椎名林檎)。ヴィジュアル系だと 覇叉羅か。ちょっと見えてきた。
●これまでのツアーとは違うものが飛び出しそうで楽しみです。
seek:ガラさんが一緒にやりたいと言ってくれて、僕らがこのツアーを楽しんでるのが伝わっていってる感じがすごいするし、やっててよかったです。この企画のスタートがね、どちらかというと、(コロナ禍で)バンドができひんからせめてものやれることとして始めたから。それを楽しんでいるのが伝わって、集まってきてくれる人がいるのがいいですね。楽しすぎて、体力は奪われてますけど。この間の大阪もね(笑)。
aie:いや、seekは元気。大阪のときは、俺とKöziさんがダウンしちゃって。でも、さすがに9時にホテルに帰って寝るのはヤバイなと思って、10時まで頑張ったけど。
seek:あの後、僕はスイッチ入っちゃって、3時、4時までいきました(笑)。
ガラ:ほどほどにしようね(笑)。